部分的に取り出すということができない。
三つ目は、他のアプリケーションを採用している外部との情報交換の難しさである。異なったアプリケーション間ではコンバートしても手間がかかる、情報の精度が落ちる等の問題がある。
つまりアプリケーションの活用による文書の電子化は導入は比較的容易だが、その単純性から活用の機能も限定される。これらのことから、アプリケーションの利用による利点、欠点は以下のようにまとめられるだろう。
利点
・操作が比較的容易である
・導入コストが低い
・ルールを決めておくことにより再利用が促進可能となる
欠点
・フォーマットの統一が徹底されにくい
・同じ機種でもバージョンアップがあることから、データの再利用や継承性が低い
・グロサリや語句変換などの再利用の機能が限定される
・情報の構造的な管理ができない
・ワープロ文書ではインターネットなどのメディアヘの電子配信が困難
(2) PDF(Portable Document Format)による統一管理
様々なアプリケーションが混在するといった問題も、今日ではAdobe社のAcorbatなどのツールの登場により、どのようなアプリケーションを用いていてもPDFというフォーマットに統一できるようになった。そこで新たにPDFによって文書データを統一化していこうという動きが海外で盛んになってきているという。つまり、組織内で異なったワードプロセッサを使っていても、PDF化することにより文書ファイルの形態は統一され、再利用可能となるという新たな利点が注目されているのである。
又、PDFでは、ワープロ文書では困難であったインターネットなどのメディアヘの電子配信が容易になる。さらに後述するが、SGMLを用いた場合には、そのデータを画面で見る時には別のツールを利用しなくてはならないが、PDFではその必要がなく、ワープロ感覚で見ることができるという点も評価されている。
このようなツール機能を用いれば、アプリケーションに依存することからくる、データ
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